belief.

 ただひたすらにべダルを踏む。
 その1人のりの乗り物にまたがり、進む。
  
 

 湧き上がる“情熱”をエネルギーに変え、ペダルより地面に伝え、進むんだ。


 
 頂上の見えない上り坂を目の前にしても。
 坂を上り始めたそのときから、体力は奪われ、その情熱を消し去ろうとするだろう。






 
 だが、足はつかない。
 
 サドルに腰を下ろすことも許さず、そのすべてを込め、ペダルを踏む。
 ハンドルは大きく左右に揺さぶられ、スピードは食い殺される。
 息は切れ、進んだ分の道が汗となって流れる。
 いまだ、その坂の終わりは見えない。

 だが、決して止まらない。




 
  (筋肉が収縮を繰り返し、体は熱をおびる。
   熱があふれ出す。
   吸いこんだ酸素を脳へまわす。
 
   その時、
   確信に満ちたその目は全てのものを決め細やかに捉え、
   鼻からは凝縮された酸素を吸い、
   耳は小さな草のすれる音さえも拾い、
   それらを脳みそのど真ん中へ集中させ、
   そこから脳全体へともの凄いスピードで広がらせる。

   ベストコンディション。
   この時、自らの精神のその奥の奥。
   それをよりいっそう深く、掘り下げ、潜ってゆける。)



 

 自らがまたがったその乗り物を信じ、ゆく。
 

 シャフトがきしみ、タイヤの気圧が下がる。
 地面がもう足をつけと誘うだろう。
 「お前は努力した。俺は知ってる。ここらで一休みしねーか。」
 
 なに言ってやがる。
 
 
 いまだかつて受けたことのないような向かい風が、体を押し返そうとも。
 姿の見えないその風に止められたとしても、         足は、つかない。
 

 やまない風はない。それまで体の真ん中の置く深くに灯るその炎は消させない。
 それは、たとえやまない風があったとしても変わらない。
 全身全霊、そのすべてを振り絞り、チェーンを回し、漕ぎ続ける。
 
 揺るがない。
 
 もし、もし仮にその炎が揺らいだとしよう。
 それもいいだろう。
 だが、決して、消せはしない。
 その風を覆い尽くし、燃やす。
 それを精製し、凝縮させ、その炎はさらに強く、熱く、輝きを増すだろう。

 


 やがて、その坂を必死で踏み越え、下りに差し掛かった頃、
 後ろから4人乗りの高性能エンジンを積んだ乗り物に乗って、
 いともたやすく抜き去っていくヤツもあるだろう。

 それもいい。
 彼らが感じられない心地よい下りの風を全身に感じ、次へ向けて鋭気を養う。
 彼らよりもゆっくり確実に進み、様々なものがはっきりとも見えるだろう。

 確かめるように1人うなずき、歌をうたい、空を見上げペダルを踏み続ける。










 1度またがったそれを決して降りない。
 
 その、 “信念” を、 決して。


 
by room0126 | 2007-02-18 04:27 | Writing
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