手紙



  どうも。
  お元気ですか。
  最後にお会いしたのはいつのことでしょうか。


  夏の終わりが始まって、秋への移ろいの真っ只中ですね。
  次の季節、秋の空気が静かにささやいています。

  夏の終わりの台風が過ぎ去り、その後に踊る足あと。
  大きな風が、大粒の雨を降らせながら暑い夏の空気を北へと連れて行きます。
  そしてそれが過ぎ去った後に、空はすっかりと晴れ、
  ほんとうに気持ちのよい風が吹きます。
  
  その残り風に僕は吹かれ、余計なことは何も考えずに、
  その心地よさに、素直に微笑むのです。






  
  湿度や気温、天気や、空。
  空気、色、風、音。
  匂い。


  その季節ごとの風景。
  例えば、鈴虫の声だとか。
  例えば、夏の青空に浮かぶもこもこで濃い白色をした入道雲だとか。
  例えば、蝉の声だとか。青々とさわめく田んぼだとか。

  あ、そう、この田んぼの在る風景というのは、
  夏のはじまりから、終わりまでのその移ろいを、
  とてもきれいに彩っているものですね。
  
  初夏になれば小さな苗が等間隔に植えられ、水が張られます。
  それを見た僕が夏の到来を知ったのも束の間、
  気付けば地面が見えないほどに、皆が天に向ってまっすぐに伸び、
  辺り一面、きらきらとした緑の輝きに包まれます。
  真夏の太陽が降り注ぎ、雨が降り、また伸びる。
  そこを風が走り抜け、稲たちはその緑をさわさわと揺らします。
  そして蝉の声に混じって、ちらほらと唄いだす蛙たち。
  やがてその唄が聞こえなくなったのに気が付いた頃には、
  もうしっかりと実った穂を垂らし、黄金色にかがやくそれらがそこにあるのです。


  とても、美しいものです。



  やはり、時間の流れの中にいる全てのものたちは儚く、
  そしてそうであるからこそ、美しいのですね。



  
  これを書いている今、
  さっきまで晴れていた夕焼けの窓の外から、
  さらさらと雨の音が聞こえています。

  夕暮れどきのにわか雨。

  ツクツクホウシ。

  「この蝉は夏の終わりに鳴くのよ」 と、
  昔母が言っていたことをよく思い出します。

  その蝉が今、小雨の降る窓の外で、何度も何度も泣いています。


  今年の夏も、終わろうとしています。
  


  




  
  僕の方は、相変わらずですが、元気でやっています。

  最近は、色々と解ったつもりになっていたことや、
  前に解りかけていたようなことだとかが、

  急に全然わからなくなってしまったり、
  もともと最初からわかってなんかいなかったことに気付いたりしています。
 
  わからないことが増えてゆくばかりですね。

  
  だけど、1年前よりも、
  季節の移ろいを繊細に感じられるようになったりもしています。

  漠然とではありますが、そのような感じです。
  

  今年も健康で、僕の好きな秋のはじまりを迎えられることに感謝しなくてはなりませんね。
  ありがたいことです。








  それでは、また、近いうちに。

  そろそろ、お会いしたいです。
  
  季節の変わり目で、風邪などを召されませんように。
  
  健康で。
by room0126 | 2007-09-09 18:51 | Writing
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